鉛蓄電池とは?
1.鉛蓄電池とは?
鉛蓄電池は、電極に鉛を用いた蓄電池の一種です。
鉛蓄電池は、電解液である希硫酸の中に鉛の電極板が入っている構造になっています。正極(陽極)には二酸化鉛、負極(陰極)には海綿状の鉛が使われており、希硫酸と鉛の化学反応によって電圧が発生し、電気が蓄えられます。
充放電の仕組みとしては、電解液中の硫酸イオンが正極・負極の双方に移動すると放電され、逆に、正極・負極の双方から電解液中に硫酸イオンが移動することで充電されます。
また、鉛蓄電池は、必要な電圧に応じてセルが直列に繋がっています。
2.鉛蓄電池の(リチウムイオン電池に対する)デメリットとは?
鉛蓄電池は、安価で使用実績も豊富なため信頼性が高い一方で、重量が重く、充放電を繰り返す中で性能が低下するというデメリットがあります。また、電解液に硫酸を使用するため破損時の危険性が高く、極寒地では電解液が凍結しやすく破裂する危険もあります。
また、原料が鉛であるため、廃棄時の環境負荷の問題もあります。
3.鉛蓄電池に代わるリチウムイオン電池
一方で、リチウム電池の利点は、軽量で寿命が長く、安定した電気を供給することに向いていることです。またリサイクルによって環境負荷の軽減にも貢献可能です。しかし鉛蓄電池よりもコストが高いというデメリットがありますが、UPSなどの比較的容量が少ない蓄電池は価格も抑えて提供することができます。
4.鉛蓄電池に代わりリチウムイオン電池を導入した事例の紹介
大手鉄道会社向けに、鉛蓄電池で製造していた無停電電源装置(UPS)をリチウムイオン電池に置換した事例を紹介します。
用途は通信系統及び運行信号の停電時のバックアップで、鉛蓄電池をリチウムイオン電池にしたことで同等出力で、重量・体積を3分の1に減らすことができ、交換サイクルも3~5年から10年に延ばすことができました。
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