有名テーマパーク内を遊覧船の動力をディーゼルエンジンからリチウムイオン蓄電池へ切り替えた事例です。これまでは、この遊覧船の駆動はディーゼルエンジンでした。

ディーゼルエンジンは圧縮加熱した空気に燃料を噴射、発火させ、燃焼したガスによってピストンを動かす仕組みのため、エンジンの稼働と共に振動や騒音が発生します。テーマパーク内の電動遊覧船は、振動のない運航はもちろん、船内アナウンスの聞こえやすさや、会話の邪魔にならない静粛性が、利用者の乗り心地につながります。このディーゼルエンジンの問題点を解決するための方法が、動力を電気にすることでした。
当初、電動遊覧船の電気を鉛蓄電池から供給することを検討していましたが、船舶の形状や設置場所を検討した結果、省スペースで大容量を実現できるリチウムイオン蓄電池を採用することにより、設置スペースの縮小だけでなく、鉛蓄電池と比較して軽量になり、船舶の燃費の向上にもつながりました。この電動遊覧船には32kWのリチウムポリマー電池と3kWソーラーパネルを搭載。
リチウムイオンポリマー蓄電池を採用した結果、これまでのディーゼルエンジンでは駆動の騒音によって船内で会話する場合にかなり大きな声を出す必要がありましたが、今回の電動化によって驚異的な静粛性を実現し、普段と変わらない状態での会話ができるようになりました。