高層ビルやマンションの外壁補修や、清掃時に使用する高所作業ゴンドラの操作性と安全性を向上させた事例です。
一般的な高所作業ゴンドラは、屋上部分にシングルアームやダブルアーム型のクレーンからワイヤーでゴンドラを吊る構造となっています。従来高所作業ゴンドラの昇降は、ゴンドラ内にあるモータですることがほとんどです。これはワイヤーを巻き取る動力が、ゴンドラと一体化されているためです。また、動力がゴンドラと一体化されていることは、作業する際に、ゴンドラに乗っている作業者が昇降をコントロールするためにゴンドラまで動力電源ケーブルを伸ばす必要があり、従来の作業ではワイヤーと共にこの動力電源ケーブルも延ばす必要がありました。
この動力電源ケーブルを作業ゴンドラに延ばす代わりとなる方法が、ゴンドラ内に蓄電池を設置する方法です。この事例では、作業用ゴンドラに3kWh、DC48Vのリチウムイオン蓄電池を搭載することで、動力電源ケーブルが不要なゴンドラを昇降させることを可能としています。先ほども述べたように、従来は高所作業ゴンドラの電源は建物の屋上から動力電源ケーブルを延ばしていました。高所では風が強く動力電源ケーブルが風で煽られて作業者がケガをしたり壁面、ガラス等を破損させる恐れがありました。また、動力電源ケーブルを作業する高さ分ゴンドラ内に積載する必要があり、作業スペースの減少、ゴンドラの積載荷重が減少したりします。今回の事例のように蓄電池をゴンドラ内に設置する事により、動力電源ケーブルを延伸を気にすることなく作業ができるようになり、外壁補修や窓や外壁の清掃の作業性と安全性が格段に高まりました。